神は子供を通して癒してくださる

原題:God Heals Through Children

 

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SB・・ラビ・シュムリ
MJ・・マイケル・ジャクソン

 

SB: ありとあらゆる(マスコミからの)攻撃に耐えてきた君の苦痛について話そう。私は君がそのような攻撃に耐えているのを直に見てきた。私がみんなに言いたいのは、君について酷いゴミのようなゴシップがこねくり返されて、不公平に扱われているということだ。
君はどうして悲観的にならなかったんだい?(もうギブアップだ!と)タオルを投げようとしなかったんだい?

MJ:そうだね。僕は誰もが経験しなかった苦痛や人々からの攻撃にさらされてきた。他の人だったらとっくに自殺していただろうね。もしくはアルコールに溺れたり・・・。

彼ら(マスコミ)は僕に対してとても残酷で礼を欠くようなことをしてきた。彼らは僕がそれを見たり聞いたりしていないとでも思っているのだろうけれど、実際はそうじゃない。

(僕が耐えてこれたのは)、子供たちのおかげなんだ。子供たちのために耐えてきたんだ。そうでなければ耐えられなかっただろう。本当にそうなんだ。

SB:子供たちがずっと君を支えてきたのかい?君が支えられ続けているというのは、神が君に行き場の無い子供たちのケアをするというミッションを与えたからと信じているからかい?

MJ:そう、神は僕にミッションを与えた。そう思っている。子供たちのために行動することというミッションを。そして子供達が僕を支えてくれた。信念と愛情を持ち続けることを教えてくれた。
鏡を見ると、自分が癒されているのを感じる。洗礼を受けたみたいな感じがするんだ。

そして、子供たちの目を見つめると、神様が「マイケル、全てうまくいくさ」と言ってくださっているように思うんだ。

SB:君のいうことを聞いていると、君は子供たちを救うという最大のミッションは別として、すべての任務を終了したと言っているように思えるんだが。

君は(子供たちを救うのと)同じくらいの情熱は音楽に対してはもう持っていないということかな?

MJ:冗談だろう?音楽もダンスも自分を高めてくれるし、今でもインスパイアされているよ。

SB:しかし、君は大人たちに愛を示すことができるかい?まだ大人たちを信じているかい?

MJ:僕は大人たちを信じているよ・・・・。

SB:しかし、君ははじめのうちは慎重だよね・・。そうすべきだが。

MJ:YES.僕はありとあらゆる方法で、絶えず裏切られ陥れられてきたからね。涙を浮かべながら、「君がこんな(ひどい)ことに耐えてきたなんて・・・。私は君を絶対に裏切ったりなんかしないよ」と言っていた大人たちが、寝返って僕を傷つける。本当に、僕はそういったことを何度も経験してきたんだ・・・。

涙をうかべ僕をハグしてくれた人が、一年後にばかばかしい理由で訴えてきたりとか・・・。写真家が同じ写真を何回も何回も撮影するかのように・・・。彼らが訴訟を起こしても、僕はそうしてこなかった。そんなことはばかげていると思うんだ。

SB:それはとっても問題だね。一晩経てば人の感情なんて変わるが、君は深く信用し続ける。おそらく裏切られたり落ち込んだりしただろうが、君は人間に対しての恐怖を克服しなければならない。それは非常に重要なことだ。

もし、僕が君と友人でなかったら、おそらく君の話を信じなかっただろう。君は私の子供たちに感謝することを教えてくれた。私も君に恐怖感をなくすことをもっと教えてあげたいよ。

MJ:それは素敵だね。僕は多くの子供連れの親たちと会ってきたきたけれど、彼らは僕のことを大好きになるよ。熱狂的になるんだ。

子供達とその親たちは一緒に遊んだり木に登ったりして、僕も一緒に同じことをする。

そして目に涙を浮かべながら僕のそばにやってきて、「マイケル、私は自分の子供のことがわからなかった。あなたは私に子供と一緒に過ごすことの大切さを教えてくれたわ。それをもっと学ばなくてはと思うの。」と言う。

こんなことを幾度となく聞いてきたよ。

SB:だが、子供たちはたいてい大人に飽きているよ。

特に、自分の親や親戚以外の大人にはね。

MJ:それはなぜなんだい?本当に子供たちは大人に飽きているのかい?

SB:そうだよ。まず第一に、子供には極度な忍耐力を必要とさせられるが、大人はまず我慢なんかしない。

第二に、子供はよく質問をするが、大人は「仕事に集中したいのに!」と思う。親はまず金を稼ぐことが重要だと考えているが、子供は猫がなぜ4本足をもつのか知りたがっていることは重要ではないと思っている。

君はこどもからこういった質問をされるかい?こどもが大人以上に重要なことを知りたがっていると、君は思うのかい?

MJ:それは価値観や、僕たちが本当に重要だと思っていることが何であるかによるね。僕の意見では、企業家になったり会社で出世したいのならそれは現実的なことで、それが彼らにとって重要なことだ。

一方、子供は楽しさや愛が大事だと思っているし、彼らは人の気を引くことも好きだと僕は思う。

子供は一日を喜びで満たしたがる。君が子供たちとそんなふうに一緒に過ごすと、その時間は永遠に子供たちの心の中で特別なものになる。心がどう変化していくかによって、子供がどんな大人になり、僕たちの世界がどうなって、総合的にこの宇宙がどうなるか。それが未来になるんだ。

SB:だが、こういうことをいう人もいる。「楽しさなんて重要ではない。私たちは働かなくてはならない。病気を治さなければいけない。家を建てなければならないし、週末の天気予報がどうなるか知らなければならない。楽しむことはたいしたことではない。子供は大きくなって、責任を持ち、働かなくてはならない」と。

MJ:僕は遊んだり、楽しみをもつことで学ぶことがあると思う。そして楽しんだ後に奇跡が起こるのだとも思う。もしくは楽しんでいる間、奇跡が起こってるのかもしれない。

奇跡がおこる、ということは僕が経験してきたことだから。

このアルバムのために書いた曲の一つに、僕が子供たちと遊んでいたときに浮かんできたことを書いた素敵な曲がある。曲を作っているときに「これはこの子から、それはあの子からだ」と子供たちのことが頭に浮かんできたんだ。子供たちがインスパイアしてくれて曲ができたんだ。その曲は子供達、子供という存在、子供たちのスピリットからもらったものなんだ。本当にそうなんだ。

SB:だからこどもはスイミングプールのようだと言われる。その水は神々しさの象徴だ。成長して大人になるとその水は凍ってしまう。

一方、子供は君が遊びたくなるような温和、自由の水だ。氷のような水は遊ぶには大変だし、冷たくて誰も行きたいとは思わない。

だから君はおとなに凍ってしまった水(心)を溶かし、もとの自由な水に戻って欲しいんだね

MJ:それがぼくが映画を撮りたいと思っている理由なんだ。もうすぐ映画を撮り始めるつもりだよ。子供の目から見るものを撮るんだ。

ストーリーは子供について、世界がどんな影響を子供に与えるのか、子供の目からみた世界はどんなものなのかという内容にするつもりだ。

それが僕が撮りたいと思っているものなんだ。法廷物や殺人事件なんかじゃない。理解しがたいからね。

もし子供が犯罪に巻き込まれて、彼らの人生を追い、何が起こって何故おこったのか、またその子供が犯罪に巻き込まれたことについてどのように感じ、何が彼らの小さな心を痛めたのかについてだったら、僕は理解できるし、映画にしたいと思う。そういうことについてだったら(シナリオを)書きたいと思う。

SB:どうすれば大人にもそんな感情を持つことができるのかな?それは天からのギフトかい?私にもできるのかな?君と一緒にいてそういったことをもっと感じたいよ。

MJ:それは素敵なことだね。

SB:私は自分の子供をとても愛しているが、他人の子供については同じようには思わない。だが、プリンスにあったとき、彼は私の心を解かしてくれた。彼はとても温和で愛らしい子供だからね。

MJ:僕は子供たちにそういうふうになってもらいたいんだ。子供たちが本当に小さい頃から皆を愛するように教えてきたからね。

SB:君の子供たちが成長したら、君はどうそれを教え続けるのかい?実際、『News Of the World』みたいなことから君は子供たちを守らなければならないからね。
(イギリスのタブロイド誌『News of the world』に車の自動窓で遊ぶパリスの写真を撮られた件。このとき、マイケルは誘拐から子供たちを守るために彼らの顔をベールで隠していた)

MJ:僕は子供たちに皆を愛し、人に親切に、善い心を持つように教えている。だけど、子供たちは自然とそれを身に着けている。僕がそのようにプログラムしたんじゃない・・・彼らは自然とそういう心を持っているんだ。

ところで、君は、僕がいかに映画や芸術を愛し、映画を本当に撮りたいと思っていることは知らなかったんじゃないかな。撮りたいんだ、とそう叫びたいくらいだ。僕が子供たちの目から見た世界を映したいのは、僕が子供たちのことを理解できるからだ。彼らの痛み、喜び、笑いや、何に傷つくのかも理解できる。子供の目から見た世界を見て、それを映画に描写したいんだ。本当に情熱をもっているし、本当に大好きなんだ。

SB:映画監督として君は子供の視点から見た世界像を見せたいと考えている。君の目を通して子供が見たものとして、たとえそれが大人向けの映画をとったとしても。

MJ:そうだよ。僕は「僕は大人のためのシリアスな映画を創れるだろうか?」と心の内側を何度も探ってみた。僕はできるとわかったけれど、きっと楽しくないと思った。できるけれど、きっと楽しめないだろうって。

SB:もし、君が映画を一本撮ったとしたら、それはいったいどのようなものなのかな?

MJ:『ET』、『オズの魔法使い』、偉大なフランソワ・トリュフォー監督の『大人はわかってくれない(400 Blows)』。僕は『シェーン』もいいし、『アラバマ物語(To kill a mockingbird)』は本当に気に入っている。何度も見たけれど、毎回同じところで感動で胸がいっぱいになる。君はこの映画を見たことがあるかな?君に見せたくてたまらないよ。一緒にこの映画を見ようよ。携帯電話の電源を切って、映画を見よう。

SB:子供も見られる映画なのかい?

MJ:もちろん。子供もいろいろと学ぶことがあるだろうね。これは南部の人種差別について描かれている。白人女性をレイプしたとして裁判にかけられた男の話だ。見るにはいくつか厳しい箇所もあるけれど、これは子供の視点から見た世界が描かれている。この映画に出てくる男を見てると君はハラハラさせられるかもしれないね。僕はとてもこの映画が大好きだよ。これはベストムービーの一つさ。この映画を取れたらいいのになぁ。本当に素敵な映画なんだ。<end>

 

<参考>

『アラバマ物語』(アラバマものがたり、原題:To Kill a Mockingbird)は1962年製作のアメリカ映画。グレゴリー・ペック主演。人種的偏見が根強く残るアメリカ南部で、白人女性への暴行容疑で逮捕された黒人青年の事件を担当する弁護士アティカス・フィンチの物語。当時の出来事を、後に成長した娘のスカウトが回想するという形式をとっている。

 

 

別ブログで『Michael Jackson Tapes』より翻訳したものを再掲しました。